中国市場への進出や越境ECの拡大に伴い、「KOL」という言葉を耳にする機会が増えています。中国のSNSで影響力を持つKOLは、同じくSNS上で多くのフォロワーを獲得しているインフルエンサーとは違うのでしょうか?
そこで本記事では、KOLの定義やマーケティング上の役割、インフルエンサーとの違いについて解説します。中国で人気のKOLや起用手順、向いている企業などもまとめてありますので、ぜひご覧ください。
KOLとは?定義・マーケティング上の役割

KOLの存在を正しく理解することは、中国市場のマーケティングを成功させるために重要です。
ここでは、KOLの定義や役割、種類、費用相場まで分かりやすく解説します。
インフルエンサーとの違いを明確にするために、まずはKOLについて把握しましょう。
KOL(Key Opinion Leader)の定義と役割
KOLとは、特定分野で強い発言力を持ち、多くの消費者の意思決定に影響を与える人物のことです。「Key Opinion Leader」の略で、元々は医療や製薬などの分野で、信頼される専門家や有識者を指すマーケティング用語として使われてきました。現在では金融やITなど、他の専門分野にも広く用いられています。
現在では、中国のSNSにおいてKOLが注目されています。中国ではInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどの利用が制限されているため、Weibo(新浪微博)やRED(小紅書)、Douyin(抖音)、Bilibili(哔哩哔哩)といった独自のプラットフォームが発展してきました。SNS上で多くのフォロワーを獲得し、商品やサービスの紹介を通じて購買行動に直接影響を与える人物が「KOL」と呼ばれています。
中国のマーケティングでKOLの重要性が増している理由は、口コミやレビューの信頼性が重視されるためです。企業の広告よりも、影響力のある個人の発信のほうが信頼される場面は少なくありません。実際にKOLがライブコマースを通じて短時間で大量の商品を販売することもあり、単なる情報発信者ではなく「販売チャネル」として機能しているのです。
つまり、中国におけるKOLは、分野に応じた一定の専門性やキャラクター性と、フォロワーからの信頼・影響力を強みとして、ブランドの認知拡大から購買促進までを担っています。中国市場を狙う企業にとって、KOLは戦略的に活用すべき重要なパートナーです。
KOLの種類
KOLは、フォロワー数や影響力の規模などによって「トップKOL」「ミドルKOL」「マイクロKOL」といった階層で語られます。それぞれの特徴や活用方法は異なるため、自社の目的に合わせた選定が重要です。
| KOLの種類 | 特徴 | 活用方法 |
| トップKOL | ・100万以上のフォロワー
・テレビ出演経験があるタレントや有名司会者などが該当する ・拡散力が大きい ・費用が高額になる |
単発のキャンペーン起用に適している |
| ミドルKOL | ・数万〜数十万、数十万〜100万弱のフォロワー
・特定ジャンルに強みを持つ ・ファンとの関係性が深い ・費用と効果のバランスが取りやすい |
商品レビューやライブ配信との相性が良い |
| マイクロKOL | ・数千〜数万のフォロワー
・特定のコミュニティで高い信頼を得ている ・フォロワーとの距離が近く、エンゲージメント率が高い ・トップKOLやミドルKOLよりも費用を抑えやすい |
ニッチな商品や高単価商材、専門性の高い分野に合う |
施策の目的によって、適したKOLの規模は異なります。自社の目的が「認知拡大」なのか「売上増加」なのかを明確にし、ふさわしい層を選ぶことが成功のポイントです。
KOLの費用相場
KOLの費用は、フォロワー数や投稿形式、商品提供の有無などによって大きく変動します。一般的に、KOLのフォロワー規模が大きくなるほど、費用は高額になります。フォロワー単価は、0.5~2円程度です。例えば、フォロワー100万人のKOLにSNS投稿を依頼するなら、50万~200万円程度の費用がかかります。
また、KOLの費用は、SNSの種類によっても異なります。テキストだけの投稿よりも、動画やライブ配信などのほうが費用が高いです。
| 中国のSNSの種類 | 該当するSNS | 向いている施策 |
| Weibo(微博) | X(旧Twitter) | ブランドの認知拡大 |
| RED(小紅書) | 商品レビュー | |
| Douyin(抖音) | TikTok | 商品PRやライブコマース |
| Bilibili(哔哩哔哩) | YouTube | 解説動画によるファン化 |
特に、ライブコマースによる販売や成果報酬型契約になると、固定費に加えて売上に連動した報酬が発生することもあります。そのため、事前に施策の目的と予算を明確にし、費用対効果を試算したうえで依頼することが重要です。
KOLとインフルエンサーの主な違い

KOLとインフルエンサーは似ているように感じますが、活動の背景や影響力などが大きく異なります。
ここでは、「専門性」「活動するSNS」「マーケット規模」の3観点から、両者の違いを分かりやすく整理します。
専門性の高さ
KOLは、インフルエンサーの中でも特定分野の専門性と信頼性が高い層を指し、いわば『専門性を持ったインフルエンサー』と位置づけられます。一方、インフルエンサーは必ずしも専門的資格や深い知識を前提としない、発信力・共感力に優れた存在です。
| KOL | インフルエンサー | |
| 専門性 | ・特定分野の専門性が高い
・信頼性の高さが評価されている |
・幅広い分野で活躍している
・フォロワーとの距離感が近い |
| 適した施策 | ・中国市場での販売促進 | ・日本国内のブランディング |
KOL(Key Opinion Leader)は、もともと医療・製薬など専門性が求められる分野で、意見をリードする専門家を指す言葉として用いられてきました。中国市場においても、美容に詳しい専門家や育児経験を発信する実践者、特定ジャンルの商品レビューに精通した人物などがKOLとして活躍しています。単にフォロワーが多いだけでなく、分野に対する深い理解や実績が評価軸です。
一方、日本で一般的に使われるインフルエンサーという言葉は、ライフスタイルやファッションなどの発信を通じて共感を集める存在を指します。もちろん専門性の高いインフルエンサーもいますが、必ずしも専門的な資格や実績が前提ではありません。フォロワーとの距離感や世界観の統一感が重視されます。
つまり、KOLは「専門性」を、インフルエンサーは「共感」を軸に影響力を発揮しています。施策の目的に応じて、KOLとインフルエンサーを使い分けることが重要です。
活動するSNS
KOLとインフルエンサーでは、主戦場とするSNSも異なります。背景には、中国独自のインターネット規制があります。中国では当局による監視体制のもと、X(旧Twitter)やInstagram、TikTok、YouTubeなどの日本で広く利用されているSNSの利用が制限されているのです。
そのため、中国国内では独自のSNSが発展してきました。KOLは、中国系プラットフォームで活動するのが一般的です。
| SNSの種類 | 中国SNS(KOL) | 日本SNS(インフルエンサー) | 特徴 |
| テキスト中心 | Weibo
(微博) |
X
(旧Twitter) |
拡散力が高く、トレンドを形成できる |
| 画像と動画 | RED
(小紅書) |
口コミ・レビューで購買を促す | |
| 短尺動画 | Douyin
(抖音) |
TikTok | 認知拡大や衝動買いを促す |
| 長尺動画 | Bilibili
(哔哩哔哩) |
YouTube | 信頼構築や比較検討に向いている |
同じSNS上で影響力を持つKOLとインフルエンサーでも、活動するSNSが異なります。そのため、中国市場を狙う場合は、現地プラットフォームへの理解が不可欠です。単純に日本で成功した施策を横展開するだけでは成果が出にくいため注意しましょう。
マーケットの規模
KOLが活躍する中国市場は、日本市場と比べて圧倒的に規模が大きく、ビジネスチャンスが広がっています。巨大な内需市場を形成しており、人口の多さが消費者層の厚さにつながっているのです(※)。
| 中国のKOL | 日本のインフルエンサー | |
| 人口 | 約14億人 | 約1.2億人 |
| SNS利用者 | 10億人以上 | 1億人以上 |
さらに、中国ではスマートフォンの普及率が高く、ECやモバイル決済が日常生活に深く浸透しています。ライブコマースなどの新しい購買スタイルも広がっており、KOLの発信が直接売上に結びつく構造が整っています。市場規模が大きい分、ヒットした場合のリターンも大きくなります。
もちろん競争も激しいですが、日本国内だけでは到達できない規模の顧客にアプローチできる点は大きな魅力です。KOLを活用したマーケティングは、中国という巨大市場に挑戦するための有力な手段となります。
※参照元:
外務省「中国基礎データ」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/data.html)
愛知県「一般調査報告書2025 年中国 SNS 市場レポート:経済を動かすソーシャルメディアの力」(1-2ページ)(https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/589797.pdf)
総務省「令和7年版情報通信白書」(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd111120.html)
総務省「人口推計(2025年(令和7年)8月確定値、2026年(令和8年)1月概算値) (2026年1月20日公表)」(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html)
中国で人気の日本人KOL

中国市場には、日本人でありながら高い支持を集めているKOLが存在します。語学力や文化理解を強みに、中国のSNSで活躍しています。
ここでは、中国で人気の日本人KOL5名をご紹介します。
矢野浩二さん
矢野浩二さんは、中国で長年にわたり高い知名度と信頼を築いてきた代表的な日本人KOLの一人です。俳優として中国のテレビ番組やドラマに出演し、現地で幅広い層から支持を得ています。
人気の理由は、単なる芸能活動にとどまらず、中国の社会や文化に理解を示しながら発信している点です。中国語でのコミュニケーション能力が高く、現地視聴者との距離感が近いことも強みです。日本人でありながら、中国の視聴者に寄り添った姿勢が評価されています。
中国のSNSで人気の日本人としてメディアで紹介されており、中国国内での知名度の高さがうかがえます。信頼性と好感度を兼ね備えた存在として、日中をつなぐ象徴的なKOLです。
参照元:PR TIMES「中国でSNS総フォロワー数が日本人No.1(1620万人超)の俳優・矢野浩二が日本由来の製品を中国全土に厳選紹介する越境ECチャンネル「浩E荟」をWeChat上にオープン!」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000010704.html)
秋山燿平さん
秋山燿平さんは、中国市場向けに情報発信を行うビジネス系日本人KOLとして注目されています。中国向けのマーケティングや越境ECに関する発信を行い、企業目線の情報を届けている点が特徴です。
また、中国のSNSやデジタル領域に関する知見を活かし、日本企業の中国進出をサポートする活動も行っています。単なるエンタメ情報ではなく、ビジネスと直結した情報を発信している点が強みです。
中国市場に挑戦したい企業にとって、現地事情に詳しい日本人KOLの存在は大きな安心材料になります。秋山さんのような専門性の高い発信者は、BtoB分野でも影響力を発揮できるKOLです。
※参照元:PR TIMES「越境EC支援のジグザグ、「KOLマーケティング」事業開始 ~ Weibo(微博)などで活躍する秋山燿平氏がアンバサダーに就任 ~」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000018480.html)
大口智恵美さん
大口智恵美さんは、ファッションやライフスタイル分野で支持を集める日本人KOLです。中国のSNS上でも活動し、日本のトレンドや魅力を発信しています。
中国市場に向けた情報発信を行う存在として取り上げられ、日本のブランドや文化を伝える役割を担っています。ビジュアル訴求力が高く、若年層との親和性がある点が特徴です。
ファッションやコスメなど、感性に訴える商材との相性が良いKOLです。日本らしさを自然な形で発信できます。
※参照元:PR TIMES「一回の配信で最高1,400万円超えの販売実績!RED(小紅書)で日本人トップクラスの人気を誇る大口智恵美を起用したREDライブコマースをファッション・ビューティー企業向けに提供開始」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000253.000058547.html)
小粥🥣玩日本さん
小粥🥣玩日本さんは、中国と日本のカップルという立場を活かして、日本の魅力を発信しているKOLです。Douyin(抖音)やTikTokで活動しており、短尺動画を中心に人気を集めています。
TikTokでは、日本の生活や文化、グルメ、観光地などを紹介しており、親しみやすい雰囲気が特徴です。メインで動画に出演しているのは日本人の彼女で、リアルな生活感が視聴者の共感を呼んでいます。
カップルという構図は、異文化交流のストーリー性を持たせやすく、視聴者の関心を引きやすい点が強みです。観光や食品、日用品といった幅広い分野で起用できるタイプのKOLです。
※参照元:TikTok「xiaozhouwanriben小粥🥣玩日本」(https://www.tiktok.com/@xiaozhouwanriben)
@xiaozhouwanriben
水谷雅子さん
水谷雅子さんは、美容分野で高い評価を得ている日本人KOLです。美容研究家として活動し、年齢を重ねても美しさを保つ姿が中国でも話題となっています。
中国SNSで人気の日本人としてメディアで紹介されており、美容に対する意識が高い中国市場において強い影響力を持っています。実体験に基づいた発信で、信頼を得ているのです。
中国では、スキンケアやアンチエイジングへの関心が高く、日本製コスメへの信頼が高いです。水谷さんのように専門性と実績を兼ね備えたKOLは、美容関連企業にとって心強い存在になります。
参照元:TRILL「実は孫が生まれたばかり…【美容家・水谷雅子さん56歳】美の秘密を探ってみた!」(https://trilltrill.jp/articles/3834676)
現地で話題の中国人KOL

中国市場で大きな影響力を持つのは、日本人KOLだけではありません。現地で圧倒的な知名度や販売力を持つ中国人KOLの起用も、マーケティング戦略を展開するうえで考慮しましょう。
ここでは、特に話題性と実績のある代表的な中国人KOLを紹介します。
谢娜(Xie Na)さん
谢娜(Xie Na)さんは、中国国内で非常に高い知名度を誇るKOLです。テレビ司会者や女優として活動しており、エンタメ分野で強い影響力を持っています。
Webメディアでも中国の著名インフルエンサーの一人として取り上げられ、幅広い層から支持を集めています。テレビ出演を通じて築いた信頼と認知度が、SNSでの影響力につながっているのです。
タレントのKOLは、ブランドの認知拡大に大きな効果を発揮し、中国全土のプロモーションを狙う企業に向いています。ただし、多くのフォロワーを獲得しているため、起用には高額な費用がかかる点には注意が必要です。
※参照元:微博「谢娜」(https://www.weibo.com/xiena)
李佳琦(Li Jiaqi)さん
李佳琦(Li Jiaqi)さんは、ライブコマース分野で活躍している中国人KOLです。特にコスメ分野で強い販売力を発揮してきました。
ライブ配信を通じて、大量の商品を販売する実績を持っています。リアルタイムで商品を試しながら紹介し、視聴者の購買意欲を高めるスタイルが特徴です。中国ではKOLが「広告塔」にとどまらず、「販売チャネル」として機能しています。
単なる認知拡大ではなく、売上直結型の施策を求める企業にとって、ライブコマースに強いKOLは非常に魅力的です。中国市場特有の販売モデルを象徴している存在です。
※参照元:グローバルコンパス「中国KOL分析~口紅のカリスマ・李佳琦はなぜウレる?」(https://gc.novarca.jp/blog/20190913-kol-lijiaqi/)
赵梦玥UU(Zhao Mengyue)さん
赵梦玥UU(Zhao Mengyue)さんは、モデル出身で、Weibo(微博)で高い人気を集めている中国人KOLです。ビジュアル面での発信力が強く、コスメやファッションでフォロワーから支持を得ています。
モデルとしての経験を活かし、商品の魅力を視覚的に伝える投稿が得意です。美容アイテムの使用感やコーディネートの提案など、実用性とトレンド感を兼ね備えた発信が評価されています。
Weibo上では数百万人のフォロワーを抱えており、大きな影響力を持つKOLの一人です。コスメだけでなくファッション全般に強みがあり、若年層を中心に支持を集めています。
※参照元:
微博「赵梦玥UUU」(https://www.weibo.com/1005051607742821)
YouTube「赵梦玥UU」(https://www.youtube.com/@zhaomengyue/videos)
KOLを起用する手順

KOLを活用したマーケティングでは、無計画に依頼しても成果が出るわけではありません。ターゲットの特定からKOL・プラットフォームの選定、プロモーションの依頼まで、段階を踏んで進めることが重要です。
ここでは、KOLを起用する手順を分かりやすく解説します。
ターゲットと起用の目的を明確化
KOLを起用する前に、まず「誰に」「何を届けたいのか」を明確にすることが重要です。KOL起用の目的が曖昧なまま依頼すると費用だけがかかり、期待した効果が得られないおそれがあります。
2.ブランド認知度や販売数、ECへの遷移数などの数値目標を設定する
3.KPIを決めておくことで、施策後に効果測定ができる
KOLにはさまざまなタイプがあり、フォロワー層が異なります。例えば、「若年層向けのコスメ」を販売したい場合と「富裕層向けの高級食品」をPRしたい場合では、選ぶべきKOLが変わります。また、目的が「認知拡大」か「売上増加」かによって、施策内容は異なるのです。
ターゲットと起用の目的を明確にすることで、KOLの選定や施策の立案がしやすくなります。KOLの起用は手段であり、ゴールではないことを意識することがポイントです。
KOLとプラットフォームの選定
KOLの選定では、「誰に依頼するか」と「どのプラットフォームを使うか」をセットで考えることが重要です。
| 中国のSNSの種類 | 特徴 | 向いている施策 |
| Weibo(微博) | 拡散力が高く、トレンドを形成できる | ブランドの認知拡大 |
| RED(小紅書) | 口コミ・レビューで購買を促す | 商品レビュー |
| Douyin(抖音) | 認知拡大や衝動買いを促す | 商品PRやライブコマース |
| Bilibili(哔哩哔哩) | 信頼構築や比較検討に向いている | 解説動画によるファン化 |
依頼方法には、「直接の依頼」か「キャスティング会社への依頼」があります。それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自社の運用体制に応じて選ぶことが重要です。
| KOLへの依頼方法 | メリット | デメリット |
| 直接の依頼 | 中間マージンを抑えられる | 中国語での契約交渉や条件調整が必要になる |
| キャスティング会社への依頼 | 条件交渉や進行管理を任せられる | 手数料が発生する |
KOLが活動するSNSによって、施策の効果が変わります。ターゲット層とKOL・プラットフォームの特性を一致させることが、成果を高めるためのポイントです。
広告・プロモーションを依頼
KOLへ広告・プロモーションを依頼するときは、「投稿内容の設計」と「表記ルールの確認」を丁寧に行うことが重要です。単に商品を送って紹介してもらうだけでは、期待通りの効果は得られません。
広告色が強すぎる投稿はユーザーから敬遠されやすく、信頼性を損なうと炎上のリスクがあります。そのため、KOLの個性やフォロワー層に合わせた自然な投稿内容の企画が重要です。事前に商品の強みや訴求ポイントを整理し、KOLとすり合わせを行うことが大切です。
例えば、ライブ配信であれば「実演」「質疑応答」「限定クーポン配布」などを組み込むことで、購買率を高めやすくなります。また、固定報酬型や成果報酬型といった契約形態を事前に確認しておく必要もあります。
そして、投稿後の効果測定も忘れてはいけません。再生回数やコメント数、クリック数、売上などを分析し、次の施策に活かすことが重要です。KOLの起用を単発で終わらせるのではなく、改善を重ねることで成果が安定していきます。
KOLを起用するときの注意点

KOLを起用すれば大きなマーケティング効果を期待できますが、リスクもあります。中国市場特有の商習慣や法規制、歴史的・文化的背景を理解していないと、炎上発生や信頼低下のおそれがあるからです。
ここでは、KOLを起用するときの注意点を解説します。
現地の商習慣を理解
中国市場でKOLを起用する際は、日本とは異なる現地の商習慣を理解することが不可欠です。日本と同じ感覚で契約や進行を進めると、思わぬトラブルが発生するリスクがあります。
中国の契約の条件や交渉、スピード感などは、日本と大きく異なります。口頭合意ではなく、契約内容を明文化することが重要です。
- 固定報酬型か成果報酬型か
- 短期集中か長期施策か
- ライブ配信のスケジュールや単価はどれくらいか
また、支払い条件や投稿内容の修正条件なども、事前に細かく確認する必要があります。曖昧な条件のまま契約を進めると、「想定と違う内容が投稿された」「追加費用を求められた」といった問題が起こりかねません。
リスクを減らすためには、文化の違いを前提にしたうえで、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。現地の事情に詳しいパートナーやキャスティング会社を活用することが有効な手段です。相手を尊重しながら条件をすり合わせる姿勢が、長期的な信頼関係につながります。
「広告」の明記が必要
中国でKOLに商品紹介を依頼する場合は、「広告」であることを明記する必要があります。法令で定められている重要なポイントです。中国には「インターネット広告管理弁法」があり、広告であることを明示せずに宣伝を行う行為は規制されています(※)。
日本でもいわゆるステルスマーケティングへの規制が強化されていますが、中国でも同様に、消費者を誤認させる投稿には法的なリスクが伴います。動画や投稿内に「広告」「PR」などの表記を行うことが必要です。KOLだけに任せず、事前に表示方法を確認しておきましょう。
KOLの投稿が法令違反を問われると、企業側にも責任が及ぶおそれがあります。中国市場は巨大ですが、同時に規制も厳格です。透明性を確保したうえでプロモーションを行うことが、ブランドの信頼を守るために求められます。
※参照元:国家市場監督管理総局「インターネット広告管理弁法 」(第9条)(https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20230501.pdf)
歴史的・文化的背景の理解が必要
中国でKOLを起用する前には、歴史的・文化的背景に対する十分な理解が不可欠です。配慮を欠いた情報発信が、大きな炎上につながるおそれがあります。
特に、歴史的な出来事があった日や政治的に敏感なテーマは、慎重な対応を心がけてください。歴史的な事件が起きた日に軽率なキャンペーンを実施すると、批判の対象となるおそれがあるからです。
| 日付 | 出来事 | 詳細 |
| 3/15 | 国際消費者権益デー | 消費者保護を目的とした記念日
(企業の不祥事が注目されやすい) |
| 5/4 | 五四運動 | 1919年の反日デモを発端とする愛国運動 |
| 6/4 | 天安門事件 | 1989年の民主化デモ弾圧事件
(現在も極めて扱いにくい) |
| 7/7 | 盧溝橋事件 | 1937年の日中戦争の発端となった衝突事件 |
| 9/3 | 抗日戦争勝利記念日 | 日本の降伏翌日で、中国では対日戦勝記念日 |
| 9/18 | 満州事変 | 1931年の日本軍による満州占領のきっかけとなった事件 |
| 12/13 | 南京事件 | 1937年の南京占領に関する歴史的事件 |
また、国旗や地図などの表現にも注意が必要です。日本では問題にならない表現でも、中国では不適切と受け取られる場合があります。投稿内容を事前に確認し、リスクを最小限に抑える体制を整えることが重要です。
中国のマーケティング戦略では、単に売上を追うのではなく、現地の歴史や文化を尊重する姿勢が求められます。相手国への理解と配慮を心がけた施策が、長期的な成功にとって重要です。
KOLの起用が向いている企業の特徴

KOLマーケティングは、すべての企業に適しているわけではありません。目的や体制、商材との相性によって、成果は大きく変わります。
ここでは、KOLの起用が向いている企業の特徴を具体的に解説します。
海外進出に向けて認知を獲得したい
中国をはじめとする海外市場に進出して認知を広げたい企業には、KOLの起用が向いています。現地での知名度がない状態からブランドを浸透させるには、影響力のある人物の力を借りると効果的です。
中国市場では、「誰が紹介しているか」が購買判断に大きく影響します。まだ知られていない海外ブランドが自社で広告を出しても、消費者は慎重になってしまいます。そこで、信頼されているKOLに紹介してもらうことで、心理的なハードルが下がるのです。
日本国内で実績のある商品でも、中国では無名というケースは少なくありません。まずは、現地のユーザーに名前を知ってもらうことが重要です。トップKOLによる拡散型プロモーションやミドルKOLによるレビュー投稿などを組み合わせることで、段階的に認知を広げることができます。
海外進出の初期段階では、KOLが信頼の橋渡し役として機能します。自社の単独では届きにくい市場にアクセスできる点が、大きなメリットです。
安全性や品質の高さをアピールできる
安全性や品質の高さをアピールできる企業も、KOLの施策と相性が良い傾向にあります。中国市場では、日本製品に対して「安全」「安心」「高品質」というイメージを持つ消費者が一定数存在するためです。
中国では、過去に食品や日用品などの品質低下が社会問題化してきたため、安全性や機能性に対する興味・関心が高くなっています。そのため、成分や製造工程が明確で、品質管理体制が整っている日本製品が受け入れられやすいのです。
例えば、スキンケア商品であれば、「日本国内での製造」「厳格な品質基準」などを具体的に説明できるとKOLの発信する情報に説得力が生まれます。KOLが実際に使用しながら、感想に加えて品質の高さを訴求することで、信頼感を高めやすくなります。
ただし、曖昧な表現や誇張した表現は逆効果です。根拠のあるデータや実績を示しながら、KOLに正確な情報発信を行ってもらいましょう。安全性や品質に自信のある企業は、KOLの影響力を十分に活かせます。
人員やリソースが十分に確保できる
KOLの起用は、一定の人員やリソースを確保できる企業に向いています。特に中国人KOLに直接依頼する場合は、想像以上にコミュニケーションコストがかかります。言語や文化の違いに加え、契約条件の交渉や進行管理、効果測定、炎上対策などの対応業務は多岐にわたります。
また、投稿内容の確認や修正依頼、コメントへの対応方針なども事前に整理しておく必要があります。万が一ネガティブな反応が広がった場合に備え、炎上対策も不可欠です。例えば、ライブ配信中に想定外の質問が出た場合の対応や誤解を招く表現があった場合の訂正方法など、事前にシナリオを準備しておくことでトラブルを最小限に抑えられます。
マーケティング施策は、片手間では対応が難しい業務です。社内に専任担当者を配置したり、信頼できる現地パートナーと連携したりしてから施策を開始しましょう。KOL施策には大きな可能性がある一方で、継続的な運用が前提となります。リソースを確保できる企業では、安定した成果につなげやすくなります。
KOLの起用が向いていない企業の特徴

KOLマーケティングには大きな可能性がある一方で、すべての企業に適しているわけではありません。商材の特性や企業体制によっては、別の施策が効果的です。
ここでは、KOLの起用が向いていない企業の特徴を解説します。
ビジュアル訴求・体験訴求が強い商材
インスタと相性の良いビジュアル訴求・体験訴求が強い商材は、中国向けのKOL施策よりも、日本国内のインフルエンサー施策のほうが成果につながりやすいです。中国では、Instagramの利用が制限されており、日本と同じプラットフォーム戦略を展開できません。
例えば、ファッションやカフェ、観光スポットといった世界観や写真映えが重要な商材の販売では、インスタの投稿で訴求しやすいです。中国ではWeibo(微博)やRED(小紅書)、Douyin(抖音)などを利用できますがコンテンツの形式やユーザーの消費行動が異なります。
また、店内の雰囲気や空間デザインを重視するビジネスでは、実際に現地で体験できないと魅力が十分に伝わりません。越境ECで販売する商品であっても、ストーリーよりも機能性や価格の安さが重視されるため、ビジュアル中心の訴求が必ずしも刺さるとは限りません。
そのため、日本市場を中心に展開している企業や訪日観光客向けビジネスでは、まずは日本国内のインフルエンサー施策を強化したほうが効率的な場合があります。商材とプラットフォームの相性を冷静に見極めることが大切です。
コンプライアンスを重視する企業
コンプライアンスを重視する企業にとっては、KOLの起用は慎重に検討すべきマーケティング施策です。中国と日本では商習慣や社会的な感覚が異なるため、予期せぬ摩擦が生じるリスクがあります。
日本人にとって自然な表現や行動が、中国では誤解を招くケースがあります。歴史認識や国旗・地図の扱い、政治的な話題といった慎重な配慮が必要なテーマが少なくありません。また、KOLの過去の発言や行動が、後から問題視されることもあります。
企業としては「問題ない」と判断した表現でも、現地の消費者から批判を受けることがあります。炎上すると、ブランドイメージが損なわれるリスクが高くなってしまいます。コンプライアンス体制が厳格な企業では、想定外のリスクは歓迎されません。
もちろん、適切にリスク管理を行えばKOLに依頼できますが、事前確認やリーガルチェックにコストがかかります。社内ルールが厳格な企業では、KOLの起用を慎重に検討しましょう。
炎上リスクや発言コントロールが難しい体制
炎上対策や発言コントロールの体制が整っていない企業は、KOLの起用を急ぐべきではありません。SNSは拡散力が高いため、トラブルが起きたときの悪影響が広がりやすいためです。KOLの発信はリアルタイムで広がり、完全にコントロールすることはできません。
KOLの施策には、ライブ配信中の発言やコメントへの対応、想定外の質問への回答など、企業側が事前に把握できない要素があります。不適切な発言があれば、瞬時に拡散されるリスクが高くなってしまうのです。
また、商品の説明に誤りがあった場合や視聴者とのやり取りの中で誤解を招く発言があった場合は、企業側に迅速な対応が迫られます。しかし、事前のシナリオ作成やモニタリング体制がなければ、対応が後手に回ってしまいます。
KOLの起用は攻めのマーケティング手法ですが、守りの体制が不可欠です。炎上発生時の対応フローや責任分担を明確にできない企業には、社内体制の整備から始めましょう。
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KOLとインフルエンサーでは、活躍する市場や求められる役割が大きく異なります。中国市場で成果を出すには、現地特有のSNSプラットフォームや法規制、歴史・文化を正しく理解し、自社の目的に合った施策を設計することが不可欠です。
日本市場向けの施策や共感・世界観を重視したブランディング、小予算でのテスト運用を行いたい場合は、KOLよりもインフルエンサーの活用を検討しましょう。初めてインフルエンサーマーケティングを試したい方には、マッチングプラットフォーム「Cuepid」がおすすめです。
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